2010年7月28日

シミの外用治療『東大式トレチノイン・ハイドロキノン漂白療法』

今回は、当院で行っている シミ の外用治療 『東大式トレチノイン・ハイドロキノン漂白療法』 についてお話ししたいと思います。
この治療法は、東京大学形成外科の吉村 浩太郎先生が考えられた治療です。
シミに対して治療段階を漂白段階(Bleaching phase)と治癒段階(healing phase)に分けています。
漂白段階(Bleaching phase)(4~6週)では、 トレチノイン および ハイドロキノンを併用します。
(※トレチノインには表皮メラニンの排出促進効果、ハイドロキノンを併用します。にはメラニン産生抑制効果があります。)
トレチノインは皮膚炎を伴うため、色素斑のみに綿棒などで丁寧に外用しますトレチノイン外用により多くのシミで開始後2、3日のうちにターンオーバー(お肌の生え替わり)の亢進による赤み、かさつきなどの皮膚炎症状を呈します。(皮膚炎の程度には個人差があります)
治療中は皮膚が乾燥(カサカサ)するので保湿クリームなどを適宜使用します。
色素が軽減あるいは消失した段階で治癒段階(healing phase)(4~6週)に移行します。トレチノインのみ使用を中止し、ハイドロキノンのみを外用します。

東大式トレチノイン・ハイドロキノン漂白療法の流れ>
     トレチノイン
←———————–→ 
     ハイドロキノン           ハイドロキノン単独
←————————————————–→
※漂白段階(Bleaching phase)(4~6週)、治癒段階(healing phase)(6~12週)
※これを1クールとして、治療効果に応じて1~3クール治療を繰り返します。

またトレチノインには角栓を剥がし、毛孔からの内容物(毛穴のつまり、汚れ)を排出(除去)を促すとともに、皮脂の分泌を抑制する効果もあるので、ニキビにも効果的です。

※当院では、東京大学形成外科で使用されているハイドロキノン軟膏トレチノインゲルを使用しております。

<適応>
表在性のシミ(肝斑 、※炎症後色素沈着日光性(老人性)色素斑雀卵斑(そばかす)) 、ニキビくすみ、皮膚のハリの改善

※炎症後色素沈着とは:
皮膚に炎症を起こした跡がしばらく色素沈着(シミのように茶色っぽく見える状態)が続いてしまう状態のことです。
やけど、擦り傷、強い日焼け後、湿疹、アトピー性皮膚炎、虫刺されなどの跡などに見られます。
肌のタイプ(肌質)により出現しやすい、しにくいという違いがあります。
通常1~3か月で自然に消えていきますが、中には色素沈着が消えるまでに約半年~1年かかる場合もあります。(時間がかかっても、待てば必ず消えます)
特にシミのレーザー治療の際には、高率にこの炎症後色素沈着が起こるので、治療する医師にとっては一番苦労する点なのです。
シミのレーザー治療をする上で、この炎症後色素沈着をいかに最小限に抑え、早く消すことが何より重要になってきます。
これらの炎症後色素沈着に対して東大式トレチノイン・ハイドロキノン漂白療法は効果的に早く薄くすることができます。

また肝斑に対しても従来の内服(トラネキサム酸)に加え、この外用療法を併用して治療することで、より効果的に早く薄くすることができます。

シミといっても様々な種類が存在し、一種類ではなく何種類かのシミが混在(合併)していることも少なくありません。
治療方法もシミの種類によって異なってきます。(※中には悪性の皮膚癌と非常に見間違いやすい恐ろしいシミも存在します。)

トレチノイン・ハイドロキノン漂白療法の一例>
※この写真の男性の患者様は、 シミ治療で来院されました。私の知人です。
(患者様のご厚意により許可を得て写真を掲載させていただいています。)
診断は、 肝斑(頬のべったりとしたくすみ)+日光性(老人性)色素斑の合併です。(肌質は色黒で、日焼けすると黒くなりやすいタイプ)
治療は、いきなり日光性(老人性)色素斑に対してレーザー治療をすると炎症後色素沈着が非常に濃くなり、消えるのにかなり時間がかかるので、通常はまず肝斑に対して保存的治療(内服、外用)を数ヶ月した上で、レーザ治療を行います。
しかし、この患者様は非常に多忙な方で、当日レーザー治療を強く希望されましたので、炎症後色素沈着のことを十分ご説明させていただいた上でレーザー治療を行いました。
治療後2週間で日光性(老人性)色素斑は綺麗になりましたが、治療後約1ヶ月にはやはり強い炎症後色素沈着を認めました。
待てば必ず消えるシミですが、この色素沈着の状態(程度)だと半年~一年はかかります。早く薄くするために、<トレチノイン・ハイドロキノン漂白療法を開始しました。開始後3ヶ月程度でほとんど目立たない状態になってきました。(現在も治療中です)
炎症後色素沈着は日本人の肌質の場合、程度の差はあれ誰でも起こる可能性があります。
特に肝斑を合併している場合には、この炎症後色素沈着が通常に比べて濃くなり、消えるまでにかなり時間がかかります。
当院ではまず肝斑の有無をしっかり診断し、肝斑を合併している場合には、まずあらかじめ内服や外用(トレチノイン・ハイドロキノン漂白療法)などを数ヶ月行って肝斑を有る程度薄くした上でレーザー治療や光(IPL)治療を行っています。これにより、治療後の炎症後色素沈着のリスクを最低限まで減らしながら効果的にシミを治療できます。
シミの種類、程度、肌質などしっかりと見極めた上で、治療を行うことが重要です。

※当院では、皮膚科専門医としてシミの種類を適確に診断した上で、シミの種類に合った最適な治療(内服、外用、レーザー治療、光(IPL)治療など)を行っています。
また日常生活の注意事項などについてもしっかりご説明し、指導を行っています。
夏は強い紫外線によりお肌がダメージを受けやすい時期です。
この時期の美肌ケア(治療)はとても重要です。
※お肌のトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

治療前
レーザー治療後約2週間
レーザー治療約1か月(炎症後色素沈着)
トレチノイン・ハイドロキノン漂白
療法治療後(現在治療中)

2010年7月11日

『トータルスキンセラピーミーティング関西』

今日は、朝から大阪で開催されたキュテラ社主催の『トータルスキンセラピーミーティング関西』に行ってきました。
当院でも非常に人気の高い治療の『ライムライト』、『ジェネシス』、『タイタン』、『レディエッセ(長期持続型皮膚注入剤) 』について、ユーザーの先生方が一同に集まりました。 ニキビ・ニキビ跡、赤ら顔・毛細血管拡張、シミ、シワ・たるみ、脱毛など様々な症状に対しての治療方法についてスペシャリストの先生方を交えて情報交換するための勉強会です。
これらの治療は、関東だけでなく中部、関西でも人気の高い治療となっており、導入されているクリニックが非常に多くなっています。
今日は100人以上の先生方が参加されていました。
定期的に行われるこの会はとても勉強になるので、私は毎回欠かさず出席するようにしています。
今回も多くの先生方と様々な治療方法を勉強、情報交換することができ有意義な一日でした。
患者様のお悩み(症状、種類、程度など)や肌質(脂性肌、乾燥肌、色白、色黒など)は、患者様おひとりおひとり異なっています。
重要なのは、様々なお肌のお悩み(症状)に対して、おひとりおひとりに合った最適な治療を行うことなのです。
当院では、皮膚科専門医として患者様のお肌の状態や症状をしっかり診断した上で、患者様に安全で効果的な最適な治療をご提案・ご提供できるようスタッフ一同日々勉強して知識と技術力向上(スキルアップ)に励んでおります。

◇当院での総合的美肌治療の一例を参考までにご紹介させていただきます。
この方は、当院の患者様です。
(※患者様のご厚意で許可を得て掲載させていただいています。)
<治療内容>
①シミ・くすみ→『ライムライト(顔全体)』、『美肌内服・外用』
②ハリ・たるみ→『ジェネシス』、『タイタン』
③シワ→『ボトックス注入(額、眉間、両目尻)』、『レディエッセ・ヒアルロン酸注入(ほうれい線)』
④目の下の小ジワ、クマ→『血小板注入療法(セルリバイブジータ)』

※当院では、患者様のご希望に応じて、お肌の総合的美肌治療をご提案・ご提供しております。
※お肌のトラブルでお悩みの方は、どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談下さい。

治療前
治療後(現在治療中)

2010年6月27日

新教授就任パーティー

昨日は、私が開業前まで勤務(所属)していた愛知医科大学皮膚科の新教授(渡辺大輔教授)就任パーティー(東急ホテル)に行ってきました。
愛知医科大学学長、病院長、多くの教授陣をはじめ、医局員、開業医の先生方が一同に集まり、盛大な記念祝賀会でした。
渡辺先生は、42歳という若さで教授になられたとても優秀な先生です。
ご専門はウィルス学で、とても研究熱心な先生です。
私も開業前の数年間、大学病院で渡辺先生にご指導いただきました。
愛知医科大学皮膚科と渡辺教授の今後のご活躍とご発展を期待しております。
☆渡辺教授、教授ご就任おめでとうございます。
今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。

愛知医科大学皮膚科 渡辺大輔教授

2010年6月16日

食事会(開院2周年

昨日は、当院のスタッフと日頃お世話になっている関係者の方々を招いて開院2周年記念の食事会を行いました。
2周年は先月でしたが、診療が忙しくドタバタしていたため、食事会の日程が遅れてしまいました。
昨日は、美味しいお食事とお酒を楽しみながら、みんなで楽しいひとときを過ごしました。
また今回は、開院前の準備からずっと一緒に働いてくれていたスタッフが退職(妊娠)することになり、その退職祝いも兼ねていました。
そのスタッフとの出会いは、かれこれ約10年前になります。
当時、私が大学病院に勤務する傍ら、美容治療を勉強するため、週末は『さかえクリニック(美容外科・美容皮膚科)』に勤務していました。
彼女は、そのクリニックで主任として働いており、院長やスタッフからの信頼もとても厚く、慣れない私をいつも優しく親切にサポートしてくれました。
彼女の患者様への対応や仕事振りは素晴らしく、大学病院や一般病院しか知らない私にとって驚きと感激をうけたのを今でも鮮明に覚えています。
縁あって、私が開業する際、スタッフとして勤務してくれることになったのです。
彼女は名古屋に住んでおり、遠方にも関わらず、当院で勤務することを快諾してくれました。
開業時は4人という少ないスタッフでのスタートでいろいろ大変なことも多かったのですが、彼女を中心にスタッフ一丸となって助け合いながらみんなで一生懸命頑張ってきました。
この4人のスタッフがクリニックの基盤をつくってくれたことに心からお礼と感謝をの気持ちを言いたいと思います。
本当に有り難う。
お陰様で今では新しいスタッフも増えて、8名になりました。
私をはじめ、スタッフ一同、初心を忘れず、また彼女の意志を引き継ぎ、よりいっそう患者様に満足していただけるクリニックづくりをしていきたいと思います。
これからもどうぞ竜美ヶ丘スキンクリニックを宜しくお願い申し上げます。

☆スタッフのみんな、毎日一生懸命仕事をしてくれて本当に有り難う。
いつも感謝しています。
これからも宜しくお願いしますね。

☆Tさん、今まで本当に本当に有り難う。
一緒に働くことができて本当に幸せで楽しく充実した二年間でした。
これからはゆっくり休養して、元気な赤ちゃんを産んで下さいね。
いつまでも竜美ヶ丘スキンクリニックとスタッフのことを忘れないで下さいね。

院長、スタッフ一同より

Tさん、お疲れ様えでした。
竜美ヶ丘スキンクリニックの「T」

2010年6月10日

“シャープペンシルの芯”

先日、クリニックで仕事中にシャープペンシルを使用しようと思い、芯が出ているのを知らず、無意識に芯を出そうとして勢いよくノックしたら、誤って逆に(芯が出てくる部分)を強くノック(押して)してしまい、指先に猛烈な激痛が走りました。
よく見ると、指先にシャープペンシルの芯が5mm程突き刺さってしまっていました。
すぐに異物除去用の異物鑷子(ピンセット)で芯を除去しようとしましたが、深く刺さりすぎていたため一部しか取れず、芯がかなり残ってしまいました、
そこで、こういう時に最適なレーザー“Qスイッチルビーレーザー”の出番です。
当院オリジナルの高濃度麻酔クリーム(20%リドカインクリーム)を外用し、Qスイッチルビーレーザーを照射しました。
わずかな痛みで、レーザー照射後一瞬にしてシャープペンシルの芯とその色素に反応し、跡形もなく除去(治療)することができました。
数日は、外用が必要になりますが、1回のレーザー治療で治療することができ、ホットしました。(苦笑)
当院では今回の私のように、鉛筆やシャープペンシルの芯が刺さってしまったり、交通事故や転倒などの外傷で傷に砂などの異物が混入してしまい、残存して異物や色が残ってしまって悩まれて来院される患者様がとても多く来院されます。
これらの患者様に対して、主に“Qスイッチルビーレーザー”を用いて治療しています。
“Qスイッチルビーレーザー”治療により、跡形も無く綺麗に除去できるので、患者様にはとても満足していただいております。
“Qスイッチルビーレーザー”は、シミアザ治療だけでなく、鉛筆やシャープペンシルの芯などが刺さった場合や交通事故・転倒などの外傷で傷に砂などの異物が混入して、これらの異物を除去しない状態で傷が閉じて(治って)しまって色素沈着を来す「外傷性色素沈着症」刺青(入れ墨・タトゥー)・美容刺青(アートメイク(アイラインやアイブロウに刺青を入れること))除去にも非常に有効な治療機器なのです。
これらは自然に消えることはありませんので、レーザー治療が必要となります。
※異物が混入して長く経過した場合でも効果的に治療することができます。
※治療回数は、状態(症状や程度)によって異なります。
※当院で導入している“Qスイッチルビーレーザー”は、外傷性色素沈着症アザ(太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑)に対して保険適応となっております。
☆お気軽にご相談ください。

治療前
治療後

2010年6月3日

大先輩の先生のクリニック訪問

今日は、午後から蒲郡市でご開業されている『蒲郡皮フ科』院長 寺澤地子先生がご家族と一緒に治療にお見えになりました。
寺澤先生は、私が以前勤務(所属)していた愛知医科大学皮膚科の医局の大先輩にあたる先生なのです。
寺澤先生には、日頃から多くの患者様をご紹介いただいており、電話や紹介状でのやりとりは何度もさせていただいたことはあったのですが、実際にお会いしたのは今日が初めてでした。
実際に寺澤先生とお会いして、とてもお綺麗で素敵な先生でしたのでかなり緊張してしまいました。(苦笑)
今日は、ご家族と一緒に美容治療をさせていただきました。

☆寺澤先生、今日はクリニックにご来院いただきまして誠に有難うございました。
また、いつも多くの患者様をご紹介いただき、心よりお礼と感謝を申し上げます。
まだまだ若輩者ですが、これからも一生懸命頑張っていきますので、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
また先生にお目にかかれるのを心より楽しみにしております。

『蒲郡皮フ科』院長 寺澤地子先生
http://gamagori-hifuka.com/depts1.html
http://ameblo.jp/chdc124/archive1-201006.html

2010年5月31日

☆当院オリジナルコスメの研究・開発

現在、当院オリジナルのドクターズコスメの研究・開発を進めています。
美肌・美白効果、皮膚老化予防効果が高く、当院でも人気の高い成分であるAPPS(高浸透型リン酸型ビタミンC誘導体)フラーレン(ラジカルスポンジ)に加え、さらに最新の美肌有効成分を最先端の技術(ナノカプセル化)を用いています。各成分をナノカプセル化することで皮膚への浸透性・持続性をよりいっそう高めることができます。
試作を重ねながらスペシャルアイテムとしてご使用いただけるようなコスメにしたいと考えています。さらに従来の容器の形状・デザインとは違った新しいタイプのドクターズコスメを検討しています。

☆皆様には秋頃にご紹介できると思います。
 楽しみにしていて下さい。

2010年5月25日

☆新しいスリッパ

クリニックのスリッパが傷んで汚れが目立ってきましたので、新しいスリッパをご用意させていただきました。
また混雑時にスリッパが足らなくなってしまい、患者様にご不便をおかけしてしまったことも多かったため、数も増やしました。

☆クリニックカラーの“ライトグリーン”で統一しました。

2010年5月24日

☆スタッフからの誕生日プレゼント☆

今日は私の誕生日でした。(年齢はご想像にお任せします・・・。苦笑)
今朝のミーティングの際に、スタッフのみんなから素敵な誕生日プレゼント(名前入りのボールペン)をいただきました。
自分でもすっかり誕生日を忘れてしまっていたにも関わらず、スタッフのみんなが私の誕生日を覚えてくれており、プレゼントまで用意してくれたことにとても嬉しく感激してしまいました。
いつも院長の私を支えて一生懸命頑張ってくれているスタッフのみんなに心からお礼と感謝を言いたいと思います。
“みんな本当に有難う!これからも宜しくお願いします。”
大切に使わせていただきますね。
また、多くの方々から誕生日のお祝いをいただき、厚く御礼申し上げます。

スタッフからのプレゼント(ボールペン)

友人からのプレゼント(ソルトランプ)

2010年5月6日

御礼

本日はゴールデンウィーク明けの初めての診療日ということもあり、多くの患者様にご来院いただき、誠にありがとうございました。
診療開始の朝から終日、院内は大変混みあう状況となり、待合い室のイスやスリッパが間に合わず、立ったままお待ちいただくなど長時間お待たせすることになってしまい、大変ご不便をおかけいたしまして誠に申し訳ございませんでした。
あらためて、お詫び申し上げます。

また、5月2日におかげ様で開院2周年を迎え、多くの方々から沢山の素晴らしいお花をいただきました。
心より御礼と感謝を申し上げます。

地域の皆様に信頼されるクリニックになるよう明日からも気を引き締めて、診療に励んで参ります。
安心して治療を受けていただけるクリニックを目指して、スタッフ一同一生懸命努めてまいりますので、今後とも竜美ヶ丘スキンクリニックをどうぞ宜しくお願い申し上げます。

☆素敵なお花を有難うございました。